質疑応答は、すべてEditShare社APAC地域営業部長のポール・ヘイズ氏にお受けいただきました。
InterBEE 2022はEditShare社にとっていかがでしたか?
InterBEEは当社にとって素晴らしい展示会になりました。今回は日本の提携企業であるVGI社と共同出展をさせていただきました。コロナ前のとき以来、初の日本での開催でしたが、予想以上の来場者数になりました。会場では高性能ストレージ用クラウドソリューションの製品レンジであるFLEXを出展し、デモンストレーションは開期中ずっと盛況でした。またAWSブーススタンドにデモポッドを用意したところ、ひっきりなしにプレゼンをすることになったほどでした。
来場者からは、クラウド編集ワークフロー、主に放送プロダクション用アプリケーションにかなり注目が集まっていました。当社はこの分野では先行しており、ポピュラーな編集ソフトアプリケーションをまるごとFLEX内にホスティングし、完全なオールクラウドソリューションを実現しています。ストレージとプロセッシング機能がクラウドに装備されているため、ある場所ではプロダクション、別の場所(もしくは複数の場所)ではポストプロダクションというようにプロデューサーの人たちに自由度が生まれ、いま非常に注目されている極めて高速で高品質なスループットが可能になります。
EditShare社が日本市場に参入したのはいつでしたか?
唯一のチャネル提携先としてVGI社とは2007年以来協業してきました。この15年間で当社の製品やソリューションは日本で100カ所以上もの使用実績になり、NHK、中京テレビ、毎日放送、テレビ朝日、TBSなど数多くの事例があります。放送やポストプロダクション業界にとどまらず、日産自動車や目黒大学といった製造業、教育業界などのお客様とも多数お付き合いさせていただいています。
2021年EditShare社はTVテクノロジーおよびNABの最優秀製品賞を受賞されました
2021年テクニカルエミー賞を含め数々の賞をいただき光栄に思っております。こうした表彰をお受けするたびに、いつも誇りに思いますし恐縮している次第です。TVテクノロジーの方々はもちろんのこと、関係者の皆様に感謝しております。
とはいえ、受賞以上に当社にとって大切なことは、お客様の要望にお応えし、イノベーションを継続していくことです。放送・メディア市場はかつてない変化にさらされている状態にあります。市場から離脱しないよう、競争の激化、予算の緊縮化、プログラムのターンアラウンド短縮化のニーズ、さらなる分散・リモートアクセスに向けた働き方改革により、試練を迎えています。お客様の達成目標を察知して迅速に対応することが当社の前進する原動力になっています。
EditShare社はここ数年のパンデミックにどう対応されてきたのでしょうか?
コロナにより、否応なしにリモートワークが最優先課題になりました。いまの人たちは、リモートワークを生産性向上の手段、クリエイティブ作業に携わるアーティストのワークライフバランス改善手段と見ており、時間と高い費用をかけて都心の拠点に通勤することもなく、編集者は在宅勤務で同じように効率的に作業することができます。
当社では、複数の場所から安全確実にアクセスを可能にする手法として、すでにクラウドストレージ/プロセッシングの方向へシフトすることを見込んでいたため、2020年不況期が到来したとき、お客様の生産性を持続させる各種ソリューションをすぐに提供できる体制にありました。
2023年にはどんな刺激的な製品あるいは技術が待ち構えているのでしょうか?
当社には主要な新規納品物のロードマップと並び、3カ月ごとの新たなリリースで、既存の製品を絶えず改良するというローリングプログラムがあります。お察しのように、この場で手の内を明かすつもりはありませんが、2023年のNAB、IBC、InterBEEで刺激的な新製品が登場しますのでご期待ください!
この場で言えるとすれば、当社はワークフローの簡素化に向けた取り組みや、ポストプロダクションのより一層の効率化に向けた取り組みを今後も継続し、ワークフロー高速化、統合強化、自動化促進を図っていくということになるでしょう。当社のユニバーサルプロジェクトのコンセプトがこの中核を成しており、テイク選定やビン作成など編集準備をオフラインで実現し、ユーザが選んだどんな編集ソフトにも即座に伝送できます。このことは、現場のプロデューサーがテイク、ショット、シーンを選定でき、編集アシスタントがFLEXとFLOWであらゆる素材を直接準備でき、編集者が座ったまま創造的かつ瞬間的に生産性を発揮できるということを意味します。まさにポストプロダクション効率化のためのゲームチェンジャーといえます。
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