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大阪・関西万博を支えるパナソニックの最先端顔認証技術

  • tvtechnology
  • 3 日前
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大阪・関西万博を支えるパナソニックの最先端顔認証技術


2025年4月13日~10月13日まで開催中の、2025年日本国際博覧会(以下:大阪・関西万博)。パナソニック コネクト株式会社(以下:パナソニック コネクト)は、開催前の建設現場に始まり、開催中の会場内、さらには開催後も残る周辺施設やインフラを見据え、さまざまな場面で、顔認証をはじめとする生体認証を活用したシステムや、エンターテインメントソリューションを提供している。大阪・関西万博では、会場を新たな技術やシステムを実証する「未来社会の実験場」と位置付けており、パナソニックグループとしても、保有する最先端技術を活用し、安心安全で効率的な万博の開催・運営を支援している。


世界最高水準(※1)の顔認証技術で大阪・関西万博関係者の入退場を管理


パナソニック コネクトは、長年にわたって、官公庁や社会インフラ、国際的な大規模イベントなどを、時代の変化に合わせたテクノロジーやソリューションで支え続けてきた。特に、同社が保有する画像処理技術は、デジタルカメラの開発を皮切りに、40年以上の知見と実績を蓄積してきた。

現在は世界最高水準の顔認証技術としてグローバルに採用されており、空港での厳格かつ円滑な本人確認や、アミューズメントパークのチケットレス入場、店舗のキャッシュレス決済、オフィスのICカードレス入退室など、あらゆるシーンで生体認証ソリューションを社会に実装している。


世界中の文化・技術・産業が集結する大阪・関西万博も、高度なセキュリティ体制と厳格な本人確認が必要とされる国際イベントだ。2025年日本国際博覧会協会が発足した2019年1月以降、パナソニック コネクトは大規模国際イベントのスムーズかつ安心安全な運営に貢献すべく、顔認証技術を含めた多種多様なサービス提供を検討してきた。

本イベントに限らず、将来的にあらゆる場所やイベントで同社のサービスを提供し、より広く社会に貢献していくことも見据えて取り組みを推進。その結果、大阪・関西万博の運営を担う関係者の入場管理に使用する関係者入場証(AD証)、および顔認証を活用した入場システムの納入に向け、2023年に大日本印刷株式会社(以下:DNP)とパナソニック コネクトのコンソーシアムが正式選定され、2025年の開催に向けた準備を進めていくこととなった。


このタイミングでパナソニック コネクト側のプロジェクトマネージャーとなったのが、金 英勲(キン・エイクン)。主に交通・エネルギー業界に向けたシステム提案から構築、保守を担当するシステム・エンジニアだ。


※1 2022年11月6日に公開された米国国立標準技術研究所のNIST FRTE 1:1評価結果で、Mugshot(人種・経年変化を含む正面顔データ。他人受け入れ率10万分の1)で世界1位を獲得。さらに、2024年3月26日に公開されたNIST FRTE 1:N評価結果(検索精度)で、Mugshot(経年変化を含む正面顔データ。160万人登録)、Border(顔の向き変化や画質劣化を含む顔データ。160万人登録)の二つの評価カテゴリで世界1位を獲得。


パナソニック コネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー パブリックサービス本部 金 英勲(キン・エイクン)
パナソニック コネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー パブリックサービス本部 金 英勲(キン・エイクン)

「私は主に開催後に関係者が使用する入場システムの構築を担当しました。大阪・関西万博は、人々に感動をもたらす、未来社会に向けた共創の場。入場ゲートは世界中の多くの国・地域の人々によって使用されます。その精度に不安な部分があってはなりません。限られた期間の中、身の引き締まる思いで準備を進めていきました」


開幕前:大阪・関西万博建設現場における工事関係者の入退場を累計約300万回(※2)の顔認証で管理


パナソニック コネクトは、顔認証技術を活用した大阪・関西万博建設現場向け入退場管理システム(顔認証クラウドサービス)を、会場の統括施工管理者である株式会社大林組に建設全期間(2年間)にわたり提供。敷地面積155ヘクタールの広大な会場で作業した累計約12万人(※2)の工事関係者の入退場を顔認証で管理し、当初予定していた入場許可証による運用と比べて5分の1から6分の1の人員で管理可能となり、大幅な省人化に貢献した。


※2 数値の集計対象は2023年5月~2025年2月。


本システムはマスクやヘルメットを装着したままでも認証可能。セキュリティを担保しながら混雑時でも滞留を起こさないスムーズな入退場を実現し、作業員管理の効率化に貢献した。


実際に本現場で顔認証システムを使用した工事関係者を対象に事後アンケートを実施し、本システムへの満足度を5段階評価で取得したところ、「認証スピード:4.7(※3)」「認証精度:4.9(※3)」と高評価を得た。


※3 「次も本システムを使いたいか」を5段階評価で取得した平均点数。回答者数83。


顔認証技術を活用した大阪・関西万博建設現場向け入退場管理システム


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金は言う。「まずは開催前の建設現場に通われる方々に、当社の顔認証システムを高く評価していただけて、ホッとしましたね。しかし、安心している暇はありませんでした。続いては、開幕後にさらに多くの国や地域の方に使っていただくことになる、入場システムの設置に注力しました。期日も迫っていたため、急ぎの対応が求められました」


開幕後:累計14万人(※4)の万博関係者の入場管理に顔認証システムを納入


金をはじめとするパナソニック コネクトのプロジェクトチームは、DNPと共同で、大阪・関西万博の運営を担う関係者の入場管理に使用する関係者入場証(AD証)、および顔認証を活用した入場システムを納入。2025年4月上旬から運用がスタートした。累計14万人の関係者を対象に、会場内で関係者が利用する30台(※5)のゲート設備で、顔認証とQR認証(※6)を組み合わせたスムーズで厳格な本人確認を実現。また、入場システムと連携するAD証登録システムを構築し、円滑なAD証発行フローに貢献している。


※4 本顔認証システムの利用は2025年日本国際博覧会協会が定める対象者のみ。

※5 関係者ゲート10台(東ゲート6台、西ゲート4台)、関係者・一般来場者兼用ゲート20台。

※6 QR認証はQRコードを用いた認証方法。QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標。


「開幕前は、他の会社もさまざまな設備を納入するため、同じエリアで自分たちの製品を設置・テストします。その合間を縫って、私たちも製品一式を持ち込み、実際の場所に設置して、無事に稼働するかシミュレーションを重ねました。屋根があるとはいえ、使用される場所は屋外、それも時間によっては強い西日が差す場所のため、社内でのテスト時には気付かなかった認証時の課題が見つかり、急ぎ現場で調整を重ねていきました。チームのみんなで協力し合うことで、なんとか開幕の日までに設置完了することができました」


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30台のゲート設備のうち、まずはより多くの関係者が通行すると見込まれた東ゲート側に6台を納入した。車いすの方の顔認証も考慮して、カメラの高さは150cmで統一している
30台のゲート設備のうち、まずはより多くの関係者が通行すると見込まれた東ゲート側に6台を納入した。車いすの方の顔認証も考慮して、カメラの高さは150cmで統一している
ゲート通過時は、カメラに顔を近づける必要はなく、一瞬立ち止まる程度で、スムーズに通り抜けられる
ゲート通過時は、カメラに顔を近づける必要はなく、一瞬立ち止まる程度で、スムーズに通り抜けられる
顔認証システムだけでなく、入場システムと連携するAD証登録システムも組み合わせたソリューションを提案。ニーズに応じて複数の技術を柔軟に組み合わせ、システム全体を最適化できるのがパナソニック コネクトの強み
顔認証システムだけでなく、入場システムと連携するAD証登録システムも組み合わせたソリューションを提案。ニーズに応じて複数の技術を柔軟に組み合わせ、システム全体を最適化できるのがパナソニック コネクトの強み

「顔認証は、まだ多くの人にとって、慣れるまでに時間のかかる技術かもしれません。しかし今回、現場で実際にシステムを体験した関係者の方は、公の場で顔認証を行うことへの心理的なハードルが下がったのではないかと思われます。こうして体験者を増やしていくことで、徐々に顔認証の優れた信頼性や利便性が社会に浸透していくとよいなと。今後、世界中の施設やスタジアム、ホールなど、あらゆるところで生体認証が使用され、よりセキュアで安心安全かつ便利な世の中になると確信しています」と金は語る。


今回の開発は、大規模イベントでの関係者入場証(AD証)の発行から会場での入場管理までをいかにスムーズに実施できるか、限られた期間の中であらゆる運用を想定し、日本国際博覧会協会の担当部門も交えて仕様化していった。金は「世界から注目され、限られた者しか開発者として参画できない大阪・関西万博向けプロジェクトを担当できたことが、大きなモチベーション向上につながった」と思いを述べた。


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開幕後の利用者からは、認証精度が高く、認証速度も速いと好評を得ている。「運用開始初日に多くの関係者の皆さまがゲートからスムーズに入場していく場面を見た時は、とてもうれしかったです。

この経験から得られたノウハウを、今後は若い世代にも継承しながら、新たな国際的なイベントで多様なパートナーの皆さまと協業し、当社の顔認証システムやさまざまなソリューションを通じて、さらなるお役立ちができればと思います」


パナソニック コネクトは今回のプロジェクトで得た知見を生かし、生体認証技術(主に顔認証システム)を活用したハイセキュリティかつ利便性の高いサービスを提供することで、多くの業界への展開を目指す。今回の実績をはじめ、パナソニックグループでは、子どもたちの未来をより豊かで希望に満ちたものにするために、多様な人々が幸せに暮らせる持続可能な社会の実現を目指し、取り組みを加速していく。


※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。


パナソニック コネクトの顔認証技術について

パナソニック コネクトの顔認証は、40年以上にわたるカメラの画像処理で培った画像を鮮明にする技術と、顔の特徴を学習するディープラーニング技術の応用により、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンチマークテスト(NIST FRVT 1:1)において、世界1位の評価を獲得しました。顔の向きや経年変化、メガネ・マスクなどにも影響されにくく、快適に利用できます。これまで、空港での厳格かつ円滑な本人確認や、アミューズメントパークでのチケットレス入場、店舗でのキャッシュレス決済、オフィスでのICカードレス入退室などで顔認証技術を応用したシステムを展開しており、1日30万回を超える固有の顔認証を行ってきました(パナソニック コネクト調べ)。今後も、世界最高水準の顔認証技術と、認証の現場での使いやすさを追求するとともに、顧客企業などとの実証実験を重ねて実現したUX(ユーザー体験)デザインとの融合によって、さまざまな認証の現場を安全・安心に、かつ効率化することに貢献していきます。


パナソニック コネクトの顔認証ソリューションについて

 
 
 

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